網戸の張り替え
網戸の網を張り替える前に|種類の見分け方と部品の選び方
網戸の種類による張り替え可否、網と網押さえゴムの選び方、メーカー別の手順確認、安全に作業できる条件をまとめます。

網戸の網は、枠の溝に網押さえゴムを入れて固定するタイプなら、自分で張り替えられる場合があります。ロール式やアコーディオン式、枠のない固定網戸は構造が異なり、網だけ交換できない製品もあります。最初に網戸の形式とメーカーの手順を確認してください。
網戸の形式で張り替え方が変わる
| 網戸の形式 | 張り替えを検討できる条件 |
|---|---|
| 引違い窓用のスライド網戸 | 枠に網押さえゴムを入れる溝があり、メーカーが網の張り替えを案内している |
| フレーム付きの固定網戸 | 網押さえゴムで固定する構造なら、引違い網戸と同じように張り替えられる製品がある |
| フレームレスの固定網戸 | LIXILの案内では、網だけでなく網戸ごとの交換 |
| ロール式・アコーディオン式 | 構造や巻き取り機構が異なる。LIXILは自分での交換ができないタイプとして相談を案内 |
これはメーカーの案内にある例です。見た目が似ていても、別メーカーや別シリーズに同じ方法が使えるとは限りません。網戸の種類を判断できないときは、網戸を無理に外さず、製品表示や取扱説明書を探します。
網・網押さえゴムを注文する前に
網戸と窓サッシは、メーカーやシリーズが異なる場合があります。部品を探すときは、網戸本体にある表示を優先して確認します。ラベルが見つからない場合は、窓側の品番と網戸の写真を用意して、メーカーや施工店に照会してください。
張り替え部品を用意する前に、次の点を見ます。
- 網戸が引違い式か、固定式か、ロール式などの収納式か
- 枠に網押さえゴムを入れる溝があるか
- 網戸のメーカーとシリーズ、窓の製品ラベル
- 現在の網と網押さえゴムの種類・太さ
- 張り替え用の網が枠全体を覆える寸法か
- 説明書やメーカー動画の対象製品が一致するか
網と網押さえゴムの必要量を計算する
LIXILの注文前案内では、網の幅は網戸幅(W)に約6cm、高さは網戸高さ(H)に約20cmを加えた寸法を目安にしています。網押さえゴムは、網戸の四辺を回る長さを基準にします。
- 中桟がない網戸:ゴムの長さ = W×2 + H×2
- 中桟で網が上下に分かれている網戸:ゴムの長さ = W×4 + H×2
たとえばWが90cm、Hが180cmなら、網の目安寸法は幅96cm×高さ200cmです。ゴムは中桟なしで540cm、中桟ありで720cmが計算上の長さです。これはLIXILの案内に沿った計算例で、実際に販売されている長さや網戸の構造に合わせて余裕を見てください。
網押さえゴムの太さも、網戸の溝によって異なります。LIXILの注文前案内では2.8mm(既設が3mm程度まで)と4.85mm(既設が5mm程度まで)を案内しています。取り替える網戸からゴムの一部を取り出して実測し、メーカーが対象を示している場合はシリーズも照合します。太さが近いだけで適合すると判断しないでください。
メーカー公式販売ページにある寸法例
次の寸法は、各社の販売ページに掲載された材料やセットの例です。巻き網の幅は購入する材料の寸法で、網戸枠にそのまま適合する幅を示すものではありません。
| 公式掲載例 | 商品寸法・内容 | 選ぶ前に確認すること |
|---|---|---|
| YKK APの張替スターターキット | ロープ太さ2.9mm用と4.8mm用がある。ブラックネット930mm×2500mm、ロープ7m、ローラー1個、要領書のセット。網戸の高さ約2.4mまでのテラスサイズ1枚が目安 | 手元のロープ径に合うセットか、網戸の幅と高さを材料が覆えるか |
| YKK APの張替えネット | 幅930mm・995mm・1500mmの各6m巻の掲載例 | ネット単品なのでロープやローラーは別途確認。色の選択肢も商品ページで見る |
| LIXIL・トステムの張替用防虫網 | ブラックNETSA00085は970mm×6m、グレーFP31910Lは1000mm×6m。商品説明はいずれも18メッシュ | 巻き網のサイズと必要な裁ち寸法が合うか確認。サッシがトステム製でも網戸は他社製の場合がある |
| LIXILストアのきれいネット張りセット | 網91cm×3m、網押さえゴム4.8mm×10m、ローラー。LIXIL製TS網戸・TL網戸用 | 対象シリーズを商品ページで確認。網戸の形式や網戸側のブランドが異なる場合は適合を決めつけない |
| LIXILストアの雨ピカ・スターターキット | 網100cm×3m、網押さえゴム4.5mm×10m、ローラー。30メッシュ、線径0.19mm | LIXIL製TS網戸・TL網戸用と記載されたセレクト商品。別シリーズや他社の網戸に適合すると判断しない |
商品寸法の例は、販売ページに載る材料やセットの大きさです。網目や糸の種類を変えるときは、網戸枠のメーカー・形式と、張替え用として販売されている商品の対象条件も照合してください。
メーカーが公表している網目・糸の寸法例
メッシュ数は、1インチ(25.4mm)あたりの網目数です。網目の開口寸法や糸の線径とは別の値なので、メッシュ数だけで製品の違いや張り替え適合を判断しないでください。
| メーカー・網の種類 | メッシュ | 網目の開口 | 糸の線径 | メーカー資料にある特徴・条件 |
|---|---|---|---|---|
| YKK AP・ブラックネット | FAQに記載なし | 1.2mm角 | 0.25mm | 同社の通常ネットの比較例 |
| YKK AP・クリアネット | FAQに記載なし | 0.9mm角 | 0.15mm | 網目の交差部を融着。張替え要領が異なり、専用工具が必要なため同社は施工店などへの相談を案内 |
| LIXIL・きれいネット(引違い網戸) | 24 | 0.9mm | 0.15mm | LIXILストアの張りセットはTS網戸・TL網戸用。LIXILは自社試験で通常網戸より通風量約20%アップと説明 |
| LIXIL・虫イヤネット(引違い網戸) | 20 | 1.0mm | 0.24mm | 薬剤と細かい網目を組み合わせた製品。効果の注意点は下記参照 |
| LIXIL・ペットネット(引違い網戸) | 14×15 | 約1.2mm | 約0.5mm | 樹脂コーティングしたポリエステル網。LIXILは網目がずれにくく、破れにくい構造と説明 |
LIXILは虫イヤネットについて、虫が来ないことを保証するものではなく、虫の種類・個体差・設置環境で効果に差があると説明しています。薬剤効果の約5年という期間も保証値ではなく、網戸を開けている状態では侵入を防ぐ効果はありません。
これらは各メーカーが自社製品について公表している仕様例です。同じメッシュ数や似た開口寸法でも、別メーカーや別形式の網戸へそのまま適用できるとは限りません。YKK APのクリアネットのように、張り替え自体を施工店へ相談する製品もあります。
ラベルの場所や品番の控え方は、窓・網戸の型番を調べる手順にまとめています。
三協アルミの網戸は劣化を点検し、張り替え先に相談する
三協アルミのお手入れ案内では、網と網押さえを樹脂部品として説明し、網の破れや大きなたるみ、周辺部のはずれ、網押さえのひび割れがないか時々点検するよう案内しています。異常があれば早めに張り替えを検討し、交換先は購入した建築会社・工務店・販売店、または三協アルミお客様相談室へ相談します。同社のこの案内には、網を自分で張り替える手順は掲載されていません。
清掃して状態を見る場合も、同社の案内では網戸を外して網の面を下にし、床に置いて水洗いする方法を示しています。網の面を上にしたり、網戸を立てかけたまま洗ったりすると、網がゆるんだり破れたりするおそれがあるためです。
YKK APのブラックネット用手順にある寸法例
YKK APの網戸ネット張り替え要領書はブラックネット向けです。窓のシリーズによって網戸の取り外し・取り付け方法が違うため、作業を始める前に窓のラベルを確認し、該当する動画と説明書を使います。
同社の手順では、網戸を床や作業台に平置きし、網目を枠と平行に合わせます。網の上下には、それぞれ100mm以上の余裕を取って切り、網押さえゴムの端にも約50mmの余りを作ってから溝に入れ始めます。この寸法はYKK APのブラックネット用手順の例で、ほかの製品や網の張り方に共通する寸法ではありません。
網を強く張りすぎると、枠がつづみ形に変形して、閉めたときにすき間ができることがあります。YKK APの要領書では、枠幅を3か所で測り、隣り合う測定値の差が3mm以内かを確認する方法を示しています。測定位置と修正方法も同社の図に従ってください。枠が変形したまま戻らない場合は作業を止め、メーカーや施工店に相談します。
クリアネットは交差部が融着され、専用工具も必要になるため、YKK APは施工店などへの相談を案内しています。ブラックネット用の手順を流用しないでください。
作業場所と張り替え後の確認
網戸の脱着方法は製品ごとに違います。該当機種の手順を確認してから、地面に近い安定した場所で作業します。強風時や、不安定な台に乗る必要がある場所では作業しません。網戸を平置きできる場所を確保し、周囲に人がいないことも確認します。
張り替え後は、網がたるんでいないか、網押さえゴムが溝から浮いていないか、網戸の枠が変形していないかを見ます。網戸を窓に戻したら、表示ラベルや説明書に従ってはずれ止めをセットしてください。LIXILも、取り外した網戸を戻す際には、はずれ止めをかけるよう案内しています。
網戸の枠やレールが曲がっている、戸車が破損している、網戸の動きが悪いといった症状は、網の張り替えだけでは直りません。網戸の動き・傾き・すき間を確認すると網戸の外れ止めと落下防止を確認するも参照してください。
施工店や管理会社に相談する場合
次のような場合は、自分で網戸を外したり分解したりせず、施工店・サッシ販売店・管理会社などへ相談してください。
- 網戸が高所にあり、外すと屋外へ落ちるおそれがある
- 網戸の形式やメーカーの手順を特定できない
- ロール式・アコーディオン式など、網を収納する機構がある
- 枠のゆがみ、割れ、戸車やはずれ止めの破損が見える
- 網戸を安全な場所へ運べない、または網押さえゴムが溝に合わない
- 賃貸住宅や集合住宅で、管理者の確認が必要
賃貸住宅は、交換を始める前に管理会社や所有者へ確認します。網戸を戻した後に、はずれ止めを正しくセットできたか分からない場合も、窓を開ける前に確認を依頼してください。